ーではインタビュー始めさせていただきます。よろしくお願いします。まずは、簡単な自己紹介からお願いします。
薫る未来は花の如し(以下:カオミラ):ペンネーム薫る未来は花の如し、と言います。長いのでカオミラと覚えてくださると嬉しいです。
ーカオミラさんが作詞を始めたきっかけはなんだったんですか?
カオミラ:きっかけは「日本語」の美を感じたことです。僕はとても日本語が好きなのですが、それを誰かに伝えたくてその方法を模索していたところ、「作詞」にたどり着いたのがきっかけです。
ーなるほど、素敵ですね。お題企画運営の話し合いで度々「私は歌詞を書いていない」といったような発言がありましたが、カオミラさんが掲示板に投稿されている作品は「歌詞」というよりも「ポエム」という形に近いのでしょうか?
カオミラ:そうですね、強いて言えば「ポエム」と言うよりは「詞」と自分は読んでいます。
文字数に縛られた「歌詞」も好きですがそれでは伝えたいことが収まりきれない時に「詞」という形で表現しよう、と決めました。詞とは一応Aメロ部分、サビ部分と分けてありますが基本的に自由詩に近いですね。
ーカオミラさんの作風は比喩色が強く、内容もファンタジックなものが多いですが、それはなぜですか?
カオミラ:そうですね、突き詰めたことはないですが端的に得意だからだと思います。空を仰ぎ、天を凪ぐ。現実世界も楽しいですが幻想が許されるのは作品ならではだと思ったからです。
ー私も比喩色が強い作品がどちらかといえば得意なのですが、いつかカオミラさんのストレートな言葉の作品を見てみたいですね
カオミラ:割と書いたりしてますよ!「愛してる」とかなんとかは書いてて照れくさいのであまり書いたりしませんけどね(笑)僕には似合わないと思うのです。僕は精々I Love youが限界です…
ーそうだったんですね!これは失礼しました。では、カオミラさんがいままで書いた作品の中で特に気に入っている作品はありますか?
カオミラ:そうですね、自分で勧めるのはいささか恥ずかしいものですが
「コードネーム:アクセプト」という作品が少し前の作品なんですが個人的には未だに気に入っています。
ー確か作品集47MVPで紹介されていましたね。私も読みましたが、カオミラさん"らしい"作品だったように感じました。個人的にはどのあたりが気に入っているポイントなのでしょうか?
カオミラ:ありがとうございます、嬉しいです。僕個人としては「フレーズ」が気に入っています。ひとつ作中から挙げると、「芝居が終わったら息をする 幸せを呼ぶ零度の舞い姫」という部分です。自分という存在を偽って演技をしている現代人が「芝居を終える」。そしてやっと息ができる、という「安穏」をうまく表せたかなと思っています。
ーなるほど!その部分はそんな意味合いがあったんですね。こんな感じに作品解説をしていただけると、個人的にはより作品を楽しめて好きですね(笑)
カオミラ:他には「アクセプト」という単語です。了解という意味があるのですが、…を入れることにより「望まない了解」という余韻が産まれたのが個人的には好きでした。
比喩色が強いだけに読み解きが難しいですよね、そこが自分も悪いところであり、また読み応えに繋がるのかなと思っています。長所であり短所だと受け止めています。
ー三点リーダなどをいれると前後の言葉に余韻だったり、含みを持たせることができますよね。私も度々使います。うーん、比喩を多様する作品を普段書かない人には少し敬遠されてしまうかもしれませんね。私としては、それ以上に読んで損はない作品を書かれていると思いますが。
カオミラ:はい、これは作詞を始めたばかりの人でも使えるテクニックのひとつですよね。そう言って頂けて嬉しいです。僕にはひとつ芯を通したい理念があるのですが、「万人受け」など未来永劫産まれないというものです。世界一売れた曲だって嫌う人がいます。世界一嫌われた曲だって好きな人がいます。「万人受け」など不可能なのです。王道は王道だから王道です。しかしその王道さえも「邪道」と思う思想が確かに存在するのです。自分が楽しめないと誰かに楽しんでもらうなんて出来ない。そう思ったので僕は評価よりも先に自分が好きなものを書こうと思って、貫いています!
ーいろいろな考えがあるからこそ、ですね。私もそう思います。では次にカオミラさんが作品を書かれる時に気をつけていることは何かありますか?
カオミラ:そうですね、特に意識してるのは「類語」ですね。例えば、1行前に「誰か」という単語を使ったら「誰か」の類語はしばらく使わない、などです。細かいですが「その単語さっきも見たぞ」という読み手の既視感を避けることができます。あとは改行ですね。「魅せる」ための作品ですので改行は特に気を付けています。付けすぎるとうざったくなりますし、無さすぎると忙しない印象が産まれてしまいます。
ー類語は私も意識する部分ですね。改行はやはり自由詩だからこそできる技法といったところでしょうか。曲ありきで作品を書いている私としてはどうしてもAメロ・Bメロ・サビという具合にしか改行できないので、そういった部分で表現を変えるというのは気がつきませんでした。
カオミラ:曲ありきの作品を書くときは、僕もほとんど改行はしません。趣味で書く自由詩は、言葉だけじゃなく「在り方」も一つの見所であるべきだと考えています。作品の中の主人公が絶命を迎えるストーリー調の展開なら、絶命のシーンは7行空けて孤立させる…などです!
ーほうほう、参考になりますね!今度自由詩を書くときは是非とも今日聞いたことをフル活用してみます!(笑)
カオミラ:是非!沢山の方に使っていただきたいです!
ー次に作品の内容についてお聞きしたいのですが、ファンタジックな物語、一体どんな風にして生まれてくるのですか?
カオミラ:イメージをします。書きたいイメージを。丁度いいのでiceさんもイメージしてみてください!白いワンピース。汚れひとつもないワンピースに身を包んだ一人の無垢な少女。髪は長く、思想が空を支えている。彼女なくしては成り立たない空間は透明な水溜りが一つあるだけ。
彼女は、自分さえ透過してしまう水に自分を映そうとしていた。こんな具合の文を頭に作り、世界観を構築します。そこから書いています!
ーまるで小説を書いていくような感じですね。描きたいイメージは、具体的に言うといつ生まれたりとか、何かイメージが生まれるきっかけがあったりするのですか?
カオミラ:いえ、ごくたまに綺麗な空を見たときやらそういう作品を見たとき、なんかにインスピレーションが産まれたりしますが基本は思考から始まります。特になにも思いついてない状態で「さあ書くか」と脳を働かせて書いています。掲示板にあげてる詞は殆どがそれですね。
ーすごいですね。私の勝手な想像ですが、大抵は何かしらの経験から派生した内容の作品を多くの人は書いていると思うのですが、逆にいえばファンタジーな世界に生きていない私たちはそれを妄想することしかできないんですね。
ーカオミラさんは度々共作をされていますが、いままでどなたと共作をされてきたのですか?
カオミラ:今掲示板にいらっしゃる方ですと
ayuさんが一番多くさせて頂います。
憂さん、
ハルさん、
あめだまりさんとも数回、あとは今いらっしゃるかわからない方ばかりですね。
藤松咲希さんとも今現在していますよ!僕が停滞させてしまってますが…
ー私もayuさんとの共作の印象が強いですね。お二人が共作を投稿されたあとに個人の作品を読ませていただいたのですが、作品が少し変わったように感じられました。お互いにいい影響を与え合っているのですね。藤松さんとの共作!これはいいことを聞きました、楽しみですね。
カオミラ:そうですね、もう何回もさせていただいて相手の詩癖や僕の詩癖もお互い段々理解してきたと思うのでとてもやりやすく楽しく書かせて頂いています!綺麗な詩が出来る予定ですので是非気長に!
ー私もハルさん、あめだまりさんと共作をさせていただいたのですが、お二人の考え等を知ることができてとても勉強になりました。今後共作をしてみたいなと思っている方とかはいらっしゃいますか?
カオミラ:そうですね、英語の詩を書かれているのは珍しく、iceさんとやってみたいとは前々から思っていました。なのでもし宜しければ是非!
ー私ですか!是非、こちらからお願いしたいくらいです(笑)
カオミラ:社交辞令ではなく是非!後はさわけんさんですかね、思想が似てる部分があり、してみたいと前々から思っていました。
ーさわけんさんはいろんな作品を書かれていますし、カオミラさんと共作をしたら、どんな化学反応が生まれるか、楽しみですね。
カオミラ:そうですね、とてもいい作品が出来る予感がしてきました。もしこれをさわけんさんが見られていたら是非ご一考を!他の皆様も、沢山共作出来たらなと思っているのでお気軽に。
ーでは、最後になりますが、カオミラさんが今後書いてみたい作品のテーマだったり、もしくはやってみたいことだったり、何かありますか?
カオミラ:そうですね、今後はもっとラブソングを書いてみたいですね。比喩色の強い凝った作品もいいですがたまには王道も王道。みてて「カオミラの柄じゃないな」と笑ってしまうようなものを書いてみたりしたいですね。そのジャンルに関してはまるっきり素人同然なので皆様のご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いします!
ーカオミラさんの書かれるストレートなラブソング、是非読んでみたいですね。本日はありがとうございました!
カオミラ:またそのときは是非宜しくお願いします!こちらこそありがとうございました!